ERP ProActive TOP >メルマガバックナンバー 一覧 >国際会計基準がやってくる! 連載第20回
vol.25
当コラムもおかげさまで20回目を迎えました。節目である今回は、先日発表されたIFRSの適用時期延期に関する影響について考えてみます。
6月21日、金融担当大臣から、「IFRSの強制適用を2015年3月期から実施することは考えていない」とコメントがありました。
延期に至った背景として、「米国SEC・インドのIFRS適用への動き」、「産業界からのIFRS適用への要望書」、 「3月の東日本大震災」等が挙げられており、その後、6月30日の企業会計審議会総会・企画調整部会の合同会議で、 「5~7年の準備期間を置くことに多くの委員が賛成」ということも、既に報道されている通りです。
このニュースに対して、皆様はどのように感じられたでしょうか?
となると、数あるIFRS適用に伴う変更項目の中で、日本でもやはり適用準備などで大きな負荷がかかるのは 『固定資産の減価償却』、ということになりそうですね。
延期に賛成する意見が多数ある一方で、日本に対する投資家の関心度の低下や IFRSの基準設定への影響力低下を 懸念する意見もあり、賛否両論のようです。
結局、IFRS適用の延期は、「プラス」なのか、「マイナス」なのか…トータルで考えると、今回の延期は適用対象の企業 にとっては、実は「プラス」に働くのではないでしょうか。
先行事例などでよく聞くのは、IFRS適用に向け様々な準備を行う中で、適用後の監査を見据えた監査人との協議事項が多く、 非常に大変だという話です。この監査人との協議は、対象となる会計処理の範囲が広く、自社の状況・ビジネス実態を説明する 資料の準備などを限られた時間の中で実施しなくてはならないため、大変な労力が必要になるからです。
また、最近経団連が発表した「IFRS導入準備のタスクフォースのフィードバック資料」の中でも、検討の早いタイミングから 監査人との協議を行うことが重要と謳われています。
適用準備を進める中で、やはり時間が足りないと感じて、まずは連結財務諸表をIFRSで開示できることをゴールにしよう、 という企業にとっては、この延期によって生じた時間をどう活用するかは、案外重要ではないかと感じています。
制度改正への対応を第一に考えていた企業でも、自社のIFRS対応のゴールをグループ経営の高度化とすべきかを検討したり、 または、その新たなゴールに向けて、実際に経営改革を行う時間に充てることも可能になります。
時間的猶予が生じた現在だからこそ、あらためて、どのようにIFRSを適用していくべきか、また、どのように時間を有効活用 していくか、を考えることが、企業にとって最適な形でIFRSを導入していくためにも必要なのではないでしょうか?




