メルマガバックナンバー

ERP ProActive TOP >メルマガバックナンバー 一覧 >国際会計基準がやってくる! 連載第12回

メルマガバックナンバー 記事

国際会計基準(IFRS)がやってくる! 連載第12回

vol.17

前号のコラムではなじみの薄い『債務とみなされる有給休暇』について触れました。
今号も制度的な面からコラムを続けようとも考えていたのですが、ProActive E2のIFRSに向けた機能概要の
発表セミナー開催も近いことから、今回は『IFRSへのシステム対応』に関係するテーマでコラムを書いてみたいと思います。
ボリュームの都合上、初の『前編』『後編』の2回に分けて掲載となりますが、後編も近々掲載いたしますので、ぜひご覧下さい。

今年の4月下旬に金融庁から『国際会計基準(IFRS)に関する誤解の公表について』というFAQ形式の
文書が発表されたことはご存知の方もいらっしゃるかと思います。
http://www.fsa.go.jp/news/21/sonota/20100423-2.html
この文書の中のひとつのテーマとして、以下のような質問が記載されています。

IFRS適用が決まれば、ITシステムを含めて業務プロセス全般について全面的に見直さなければならないのではないか?

金融庁発表の回答は以下の通りです。

既存のシステムの全面的な見直しは、必ずしも必要ではない。
IFRSを適用するために必要な範囲で、システムの見直しを行えば良い。

具体的な指針もないため、少々肩透かし感のある回答のような気もしますが、原則主義を貫くIFRSですので、
自分で理解して対策を考えなさい、ということなのでしょうか。

一方、最近のシステム化の要件などを見ていると、ほぼ例外なく『IFRSに対応できること』
という要件が含まれているのですが、こちらも例外なく、要件として言及されているのは前出の
『対応できること』一言のみで、具体的に必要とするシステム像はお客様自身も
まだまだ描ききれていない状態だということがよくわかります。

その中で、最近は様々な書籍やWebに述べられる見解として大流行しているのが
会計システムにおける『複数帳簿』説ですが、この複数帳簿によるシステム対応で
IFRSへの対応が本当に可能なのでしょうか?

近年のJ-SOX対応の際にはITベンダーをはじめとして『セキュリティ強化』や『ログ管理』『文書化』などの
いくつかのキーワードが世の中に氾濫したことも記憶に新しいですが、実際の監査ではそれ以外にも
様々な指摘事項があり、『あの時と同じ』雰囲気を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

あくまで私見ですが、今回の会計システムの複数帳簿化についてはIFRS対応に向けた『方法のうちのひとつ』
にすぎないと思っています。一方で、この複数帳簿化が各種メディアであまりにクローズアップされすぎて、
前出のJ-SOX対応のように、複数帳簿がIFRS対応に向けたシステム対応として必要十分な対応であるかのごとくの
見解が広がりすぎているように感じています。

複数帳簿のテーマについては、まず連結ベースでの複数帳簿対応なのか、各個社ベースで会計システムにおける
複数帳簿対応を行うのかという議論もあるかと思いますが、こちらについては各企業グループにおける考え方や
方針の違いによってどちらの選択肢を取るのかが変わってくる点ですし、今回の話の本筋から少し外れてしまうので、
また別の機会にお話したいと思います。

危惧しているのは、『複数帳簿』の言葉だけが一人歩きしていて、実際の複数帳簿の内容について、
具体的に誰も述べていない点です。何か、『ひとつの会計処理が自動的に変換され、複数の帳簿にコピーされる』
というようなシステム処理イメージが先行しているように感じており、実はそこに最大の課題が
潜んでいるのではないかと思います。

では、実際のその課題とは何なのかというのが今回のテーマにおける一番のポイントなのですが、
前編は導入部とさせていただき、課題については後編で、と考えています。
決してもったいぶっているわけではないのですが・・・次号をお楽しみに。

メルマガバック登録はこちら